毎年４～５月にかけて、松江市では固定資産税の課税明細書や納税通知書が送付されます。この時期になると、固定資産税に関する問い合わせをたくさん頂くのですが、多くが「納税義務者」についてのご質問です。
固定資産税は毎年１月１日現在の『所有者』に対して課税されます。ここで言う『所有者』とは、所有権登記名義人として登記されている人を指しますので、１月１日現在の登記記録に所有者として登記されている人が納税義務者ということになります。
例えば、１２月２８日に所有権移転登記を申請し、１月４日の時点で未だ登記が完了していなくても、納税義務者は新所有者に代わります。登記簿には登記の受付日が記録されるので、「いつ登記が完了したか」はどうやら問題とならないようです。
今年の１月１日に土地を売却したという方から、「固定資産税は買主さんに納めてもらうことになっていたはずだが、私に課税されるのですか？」と問い合わせがありました。１月１日に不動産取引を行うことは実務上は稀だと思うのですが、この様な場合は、売主の方に課税されることになります。１月１日は法務局（登記所）が執務を行わないため登記申請を受け付けることがありませんので、「１月１日売買」の所有権移転登記を１月１日に申請することが不可能だからです。なお、「１月１日売買」の登記を事前に申請することも出来ません。もし１月１日に登記申請が可能になったら、その年の納税義務者が誰になるのか？頭を悩ますことになりそうですね。
不動産の売買をした年の固定資産税の負担については、売買契約の際に売主買主双方で話しあい、取り決めることが多いので、この相談者の方には、「まず売買契約書の内容をお確かめください。」と伝えました。
