不動産を売買によって所有権移転する時、売主が引っ越しをして登記簿上の住所と相違している場合、所有権移転登記の前に所有権登記名義人住所変更登記の申請をして、売主の現在の住所に変更する必要があります。
では、売主が引っ越しをしていないにも関わらず住居表示の実施により住所が変わってしまった場合にも所有権登記名義人住所変更登記をする必要があるのでしょうか?
まず住居表示の実施とは何かというと、簡単に言えば住居の住所を分かりやすく表すための制度です。(◯◯市◯丁目◯番◯号のように住所を表すことです。)
そして住居表示の実施により住所が変わった場合には、所有権登記名義人住所変更登記をする必要があります。
この場合、登記の添付書類として「住居表示実施証明書」が必要となります。これは市区町村役場で取得できます。(無料でできます。)
この証明書を添付して登記を申請します。
通常、所有権登記名義人住所変更登記の登録免許税は、土地又は建物1個につき1,000円ですが、住居表示実施による住所変更の場合は非課税となります。(登録免許税法第5条第4号)
ちなみに町名だけが変わった場合(地番の変更はなし)はどうなるかというと、所有権登記名義人住所変更登記は必要ありません。
このように不動産の売主の住所が変更した場合には登記の件数にも影響が出てくるので注意が必要です。