不動産売買契約の解除と不動産取得税
土地や建物の売買契約を締結し、売買による所有権移転登記が完了した後に、売主と買主との間の合意でこの売買契約を解除することがあります。このような場合には、所有権登記名義人を当初の所有者に戻すために、『合意解除による所有権抹消登記』を申請します。当事者の感覚としては、不動産の売買契約を「無かったことに」するものですが、税務上は「売主が再度不動産を取得したもの」として扱われ、当初の売主には不動産取得税が課税されます。
なお、そもそも売買契約自体に錯誤があったものとして、『錯誤』を原因とする所有権抹消登記を申請することも考えられますが、不動産取得税が課税されるかどうかは登記原因によって形式的に判断されるわけではなく、このような場合は、「なぜ錯誤による売買の登記がなされたのか」等の調査が行われ、実体を明らかにして課税の認定をするようです。
不動産登記手続きにおいては、法務局(登記所)の登記官には添付書類の形式的審査権限があるのみですので、「本当に錯誤があったのか」について登記官が独自に調査することはありません。したがって、不動産取得税の課税の認定の場面では、改めて実質的な審査をする必要があるのだと思われます。
登記簿謄本とは
登記簿謄本とは、各地の法務局で取ることができる不動産のあらゆる情報が分かるものです。
これを今では、インターネットで300円くらいで取ることができるようになっています。これを登記情報とか呼びますが、誰でもクレジットカード決済で取れます。
不動産投資をされている方などは、これを見て、いいと思った物件の所有者や担保が付いているかどうかなどを調べられていると思いますが、この登記情報からは色んな情報を見て取ることができます。
例えば、収益物件であるアパートなどを購入しようと思ったとき、登記情報を調べると、短期間のうちに転々とオーナーチェンジしてるとか!?このような場合は、その物件には何かある…と予測ができる訳です。
また金融機関の担保が付いていれば、その買った年や債権額、極度額からおおよその値段も推測できてしまいます。
このように、登記情報からは所有者だけではなく、色んな情報を予測、推測することができるので、情報の宝庫と言えます。
私たちは登記の専門家なので、まずは依頼を頂いたら登記情報の確認をして、色んな情報をその中から抜き取ります。
近い将来、登記情報が無料になるとの噂もあります。そうなれば、登記というものが一般の方にも身近なものになるかもしれませんね。